
Origin
名前と屋号の由来
こんにちは。みつです。
ふだんから、Instagramで「みつ/Mitsou」と名乗っています。元になっているのは、
屋号にも使っている「Mitsouko」。
屋号の「エルブ・ド・ミツコ - les herbes de MITSOUKO - 」は、
「Mitsoukoのハーブ」という意味です。南仏プロヴァンスのエルブ・ド・プロヴァンスというハーブミックスをご存知の方なら、お気づきだったかもしれませんね。
今日は、わたしが「みつ/Mitsou」と名乗っている理由。そして、
そこに込めた想いなどをお話したいと思います。
ひかりとかおり
「地の塩、世の光。」
わたしがいつも心に留めて、そうありたい、と願う言葉です。
この言葉と出会ったいちばん古い記憶。それは、小学校の礼拝室だったように思います。小さな部屋の窓にはめられたステンドグラスと、そこから差し込む柔らかな光。その光がつくる静謐な雰囲気と共に、この言葉はわたしの心の奥深くに刻まれました。
幼い頃から親にも「人のお役に立つ存在になりなさい」と教えられて育ったこともあり、「地の塩、世の光」という言葉は、自然とわたしの心に溶け込んだのかもしれません。
幼い頃といえば。あどけない少女が、母や祖母の化粧台でこっそりいたずらをするのはよくあることですが...。わたしは紅をさして遊ぶよりも、小さな瓶に並んだ香水を眺めたり、香りを嗅いだりすることが好きな子供でした。
わたしにとっては、目にみえる色や形よりも、写真や映像では掴みどころのない「香り」こそが、想像力と好奇心をを掻き立てるものだったのです。
人一倍、香りというものに惹き付けられる子供だった少女は、その後ハーブという植物に出会います。それまで植物の香りといえば、花々のものと思っていたわたしにとっては、緑の葉が香るということは衝撃であり、新鮮であり、深く興味をそそられることでした。
自然な流れでアロマにも興味を持つようになり、古い時代の香水には、花やハーブや樹脂などの天然香料が使われていることを知ります。


Mitsoukoとの出逢い
ハーブ、アロマ、パルファム、トワレ、お香...
大人になる過程で、さまざまな香りと出逢いました。
ゲランの名香「Mitsouko」を知ったのは、そんな香りと出逢う旅の途中のこと。初めて嗅いだ時、うっすら埃の積もる祖母の化粧台が脳裏に浮かんだことを覚えています。
香りと人の記憶の結び付きは深い、とはよく言ったもので。シプレー・ノートの名香がもつ「ミステリアスで神秘的な香り」は、幼い頃に遊んだ「大人の女性」の化粧台や、そんな魔法を使いこなす「大人の女性」そのものへの憧れを掻き立てました。
Mitsoukoのモデルは、当時のベストセラー小説に登場する日本人女性ミツコであったり、当時の社交界に実在したオーストリア=ハンガリー帝国の伯爵夫人クーデンホーフ光子であったり...と諸説あるようです。
いずれにせよ、ゲラン社の公式表明によって、日本人女性の「Mitsouko」のイメージが、あの香りにインスピレーションを与えたことは確かだとされています。
洋の東西を越えて、焦がれ、永く愛される名香。Mitsouko。
わたしにとって、この「Mitsouko」から湧き上がるイメージは上述の通り、「大人の女性」への憧れでもあり、決して子供には使いこなせない凛とした強さでもあります。
「Mitsouko 」の香りと「光子」という漢字の綴りの組み合わせは、仄暗く苔むした神秘の森に射し込む、一筋の光を連想させるものでもあります。
Mitsoukoと光
Mitsoukoの光は、真夏の太陽のように眩しくあたりを白日に晒す強い光ではなく。陰翳を尊びながら、柔らかくあたりを照らすしなやかさと、揺るぎなく薄闇を拓く厳かさを感じさせる類いの光のように感じます。
それはまさに、あの小学校の礼拝室でみた、静謐な光と同類に感じられ、わたしの心に自然と「地の塩、世の光」という言葉を想起させるものなのです。
穏やかな気品。
そして凛とした強さと、しなやかさ。
そんな「Mitsouko」のもつ魔法のような力は、年齢を重ねただけのわたしには、まだまだ使いこなせそうにはありません。
憧憬を胸にいだきながら、常に意識し続けることで、いつか「Mitsouko」に近づけたら...
そんな想いを込めて、Mitsoukoにあと1音足りない「みつ/Mitsou」をビジネスネームに定めました。


Mitsoukoのハーブ
「エルブ・ド・ミツコ - les herbes de MITSOUKO - 」という屋号は、Mitsoukoのハーブという意味だと、冒頭でお話しました。
南欧プロヴァンスのハーブミックス「エルブ・ド・プロヴァンス」は、プロヴァンス地方に古くから伝わってきたもので、厳密なレシピがあるわけではありません。
おおむね、タイム、セイボリー、フェンネル、バジル、ラベンダーなどが使用され、それぞれの家庭ごとにレシピが存在します。「プロヴァンス地方のハーブ」という総称で呼ばれるこのハーブミックスは、いまでは世界中に愛されるスパイスとして知られています。
わたしが「エルブ・ド・ミツコ」に込めたのは、さまざまな種類の多種多様なハーブを織り交ぜて、暮らしを彩るというイメージ。そして、お客さまひとりひとりが望むものを、その方にあわせてご提供したいという想いです。
屋号には、そのような決意が込められています。
南欧プロヴァンスのハーブミックス「エルブ・ド・プロヴァンス」が、いまや世界中で愛されているように。願わくば、わたしのちいさな「エルブ・ド・ミツコ」を通して、ご縁をいただいた皆さまの毎日が「豊かな味わいのあるもの」になりますように。
そして、「エルブ・ド・ミツコ」を通じてお伝えすることが、皆さまの暮らしを「穏やかに照らす光」となりますように。
地の塩。世の光。そして、Mitsoukoの香り。
そのようなテーマを通奏低音としながら、「みつ/Mitsou」としての活動を行っていきたいと思っています。